ブログをご覧の皆様こんにちは!
鹿児島県出身 「徳之島ブロガー」のとし( @kedokumango )です。
2017年の出荷作業も8月27日で全てが完了し、1週間かけて進めていた夏季剪定作業も8月27日に終えることができました。
剪定完了から数日かけて清掃していたビニールハウス内部の清掃も8月31日で全て完了したことから、8月31日に「お礼肥」を与えましたので、果樹農家流の施肥の仕方について紹介したいと思います。
この記事の目次
マンゴーの夏季剪定が完了したハウス内部の様子について
まずは、夏季剪定が完了したばかりのビニールハウス内部の様子を見てみましょう。
剪定が完了したばかりで通路には、剪定した枝が落ちていますが、こういった枝をハウスの外へ持ち出したり、除草作業を行なったりしてから、マンゴーへ施肥を行いますよ。
マンゴー農家にとっては、収穫を終えた後の、この「夏季剪定」が来期のスタートでもあり、この剪定が来期の収穫量にも繋がる、とっても重要な作業で一大イベントなのです。
そんな一大イベントを終えた私は、一段落終えた喜びから、Twitterでも剪定完了の報告と今年度のお礼をつぶやいていますよ。
マンゴーの剪定作業が完了しました。
ハウスの中には、キーツとレッドキンコウを残すのみです。
今年もたくさんのお買い上げありがとうございました。 pic.twitter.com/hbXyQU4jv3
— Toshi-S (@kedokumango) 2017年8月27日
この剪定枝の清掃や、マンゴーの出荷時期は、株元に生えてしまった雑草は繁忙の為に除去作業が出来なかったですからね。
剪定枝の除去と同時に、除草作業も進めていきました。
2017年の夏季剪定作業で施肥する肥料について
2週間ほど前に、徳之島町役場が運営する試験場にマンゴーハウス内部の土を持ち込み土壌診断試験を行なって貰っています。
その試験結果からPhは、申し分ないようでしたらの、チッソ量について注意しながら施肥をおこなうこととしました。
そこで、2017年の夏季剪定で与える肥料として選んだのが、こちらの「奄美果樹配合」となります。
この奄美果樹配合については、タンカンを育てる農家がよく使用している配合肥料でして、徳之島の農協では、普通に販売されている商品です。
価格は変動していますが、20kgの袋で¥2,500〜¥3,000の間で流通していますね。
こちらがパッケージの裏面です。
配合肥料などでは、パッケージの裏面に必ず肥料に含まれる「チッソ」量について記載されています。
その「チッソ」量から年間にして何gのチッソ分を投入したいか考えて肥料の散布量を決定します。
ですから、肥料を与える際には、必ず「土壌診断試験」を行なって、「EC」と「Ph」ぐらいは、把握しておく必要がありますよ。
なお、施肥については、肥料分が足りない場合の追肥は、簡単にできますが、効きすぎた際に土から栄養分を取り除くことは、困難を極めますので、少しずつ少しずつ効かせていく必要があります。
与える肥料の軽量方法について
今回の私の園では、この「奄美果樹配合」だと樹1本当りに250gの散布が必要なのですが、後々に液肥の散布もおこないたいことから、今回は、奄美果樹配合を150g散布することとしました。
さて、ここで皆さんでしたら、樹1本当りに150gずつ肥料を与えなさいと言われたら、どのようにして散布しますか?
やはり、このように秤(はかり)とペットボトル等の容器を用いて計測して散布しますかね。
それでは、このペットボトルに150gの肥料を入れて計測してみましょう。
すると、ここで気付きませんか?
1度150g計測したら、ペットボトルのその位置まで肥料を入れれば次も150gになるということですよね。
具体的に言えば、下の写真で指差しているところ。
ここまで、この容器にここまで肥料を入れれば150gになるってことです。
そこで、この指で挿した場所にマジックででもラインを入れて、必ずそこまで肥料を入れてから、散布するという手段もありますが、それだとあまり効率が良くありませんね。
ですから、私でしたら、このように150gのラインのところでペットボトルを切り離してしまいます。
ペットボトルでしたら、こんな加工は、カッターナイフで簡単に行なうことができますからね。
1分もかからずに切り離すことが可能なはずです。
こちらが切断加工したペットボトルに目一杯の肥料を入れた様子です。
秤の目盛りにところに注目してください。
こちらが目盛りの拡大写真となります。
ぴったり150gですよね。
ちょっとした工夫で、このように簡単に150gの肥料を量ることが可能となりました。
農業では、ちょっとした工夫で、作業効率が驚くほど改善することがありますから、休憩時間などに、どのようにしたら上手くいくか考えてみるのも楽しいものですよ。
果樹への肥料散布の仕方について
我々、農家が購入する肥料というのは、基本20kgの袋に入っているのですが、この20kgの袋をずっと持って歩くのは、超絶難儀なことです。
そんな重いものを引っ張って作業なんてしたくありません。
そこで、肥料もダイソーなどで購入したバケツに移して作業すると、効率的に作業をおこなうことができます。
私が肥料散布を行なうときは、いつもこのような感じで作業していますよ。
あとは、樹の株元に肥料が1箇所に固まらないように、パラパラと蒔いたら、肥料の散布完了です。
ただ、この散布した肥料ですが、水に溶け出さなかった肥料が土の表面にあるとカビが生えてしまったり、虫が餌として寄ってきてしまうことがあります。
そこで、このように三角ホーのような道具を用いて、表土と肥料を軽く馴染ませるように混合すると肥料の効きも良くなりますよ。
なによりも、肥料を散布したら、一度大量の水を「ドン!」と与えた方が良いと私は考えています。
なにせ収穫後の「お礼肥」ですからね。
このような固形肥料でも、水が入ればそれだけ根に入っていき易いはずですよ。
本日のまとめ
基本的に果樹というのは、果実を収穫したら「お礼肥」を与えるものが多いと感じています。
人間、早く樹を大きくしたいという気持ちが働くとついつい施肥量を多くしてしまいがちなんですが、肥料が多すぎると、根痛みしてしまったり、最悪枯れてしまうこともあります。
肥料の多すぎは、樹が病弱になることも多いですし、全く良いことがありません。
そこで、施肥を行なう時は「土壌診断試験」を行なってから、与える肥料の量を決定することを、おススメしますよ。
もし、身近に土壌診断をしてくれるような施設が無い場合は、「EC」と「Ph」でしたら、簡単に計測することができます。
私のブログでも紹介していますので、ご覧ください。
私が使っている試験器はこちらとなっています。
土の健康状態を知りながら、きちんと肥料を与えて、健全な樹づくりを心がけたいものですよ。
本日のブログは、ここまで!
それでは、また明日~