ブログをご覧の皆様こんにちは!
管理人のとし( @kedokumango )です。
8月21日のブログで、マンゴーの夏季剪定終了後の防除作業をおこなったことを紹介したところですが、なんと先日、マンゴーの宿敵「スリップス(チャノキイロアザミウマ)」がビニールハウス内にいることを確認しましたので、その様子を紹介したいと思います。
こういった葉を見つけたら要注意!
こうなってきたら、完全に悪い例なので、お見せするのも恥ずかしいくらいなのですが、農業や果樹栽培をしていると必ず失敗はあります。
ここで、失敗を悔やむよりも次の計画を立てて、その対策をおこないたいものです。
それでは、気を取り直していってみましょう!
まずは、こちらの葉をご覧ください。
葉色がおかしいのと、葉の表面がガサついてきているのが見ていてわかると思います。こういった枝は、よく観察してみると必ずといっていいほど、何かしらの害虫を発見することができます。
こちらをご覧ください。これが、「スリップス(チャノキイロアザミウマ)」です。
白い点々のものが害虫(スリップス)です。
伝わりにくいでしょうから、もう少し接写したものがこちらになります。
憎きこいつがマンゴーの新芽や新葉へ食害をもたらしていくのですが、こいつの繁殖力がまた凄くて、早期に対策を施さないと爆発的に数が増えていきます。
特に夏場の30度を超えるような環境では、産卵から孵化までのサイクルも早くなるので注意が必要です。
スリップスは、特に葉裏で確認することができます!
スリップスは、とにかく葉裏にいるものです。少しでも怪しい箇所を見つけて、その近くの葉の裏を見てみると必ずといっていいほど、そこにスリップスは、いますよ!
ちなみに今回、スリップスを発見した箇所の近くの葉裏は、このようになっていました。
葉脈のところも黒くなっていますよね。これもスリップスの影響です。
別の箇所も見てみましょう!
ここまでくると、とにかく早い対策が必要となってきます。
夏季剪定後の防除作業については、こちらの記事で紹介しています。あわせてご覧ください。
今後の防除計画として!
スリップスの対策としては、一番良いのは、「スワルスキーカブリダニ」をビニールハウス内に放飼して、スワルスキーカブリダニにスリップスを食べさせてしまうのが、農薬も使用しませんし、一番簡単な方法です。
しかし、「スワルスキーカブリダニ」は、気温が35度以上になると死滅してしまいます。
よって、この時期のスワルスキーカブリダニの放飼は現実的でないんですよね。
そこで、農薬による防除作業が必要になってくるわけです。
8月21日の記事でも、鹿児島県が推奨する防除計画というのを紹介しましたが、こちらがその防除計画となっています。
私が、前回の防除作業で散布したのが上記の表で一番左の「スプラサイド」になるわけですが、次回の防除作業は、「ロディー乳剤」を使いたいと考えています。
これには理由があって、こちらのスリップスに対する農薬の一覧表をご覧ください。
薬品名の上の成分の種類に赤いアンダーラインをいれておきました。
この成分というのが重要で、同じ成分の薬剤ばかり散布していると害虫も抵抗性がついてしまい、薬剤が効かなくなってしまうのです。
そこで、この成分の違うものをローテーションで散布する必要があるわけです。
次回散布する薬剤として「ロディー乳剤」を選んだ理由としては、鹿児島県が推奨しているからというだけでなく、他にも理由があります。
上記の一覧表の「ロディー乳剤」の右側の方を見てみてください。スワルスキーへの影響が60日となっていますよね。来年の2月からは、スワルスキーを投入していきます。そこで、スワルスキーに対する影響が大きいものから先に使っていこうという考えです。
農薬は、年間の使用回数も定められていますし、このように計画的に使用していかないと最終的にいざ何かが発生したときに使用できる農薬が無くなってしまいます。
1年間という長いスパンで、この時期は、この害虫、この病気といった具合に適切な対応をしていきたいものです。
本日のまとめ
「農薬」と聞くと、マイナスのイメージが多いものですが、しっかりと使用基準を守って利用していけば、安全に使用することが可能です。
その為にも、上記で述べたように長期的な計画のもとに作業を進めたいものです。
また、根本的な対策として、とにかくビニールハウス内を清潔にしておくこと!これにかぎります。
他人のビニールハウスを見学に行って、乱雑にしているハウスだと、やっぱりそのハウスは、病害虫に悩まされているものです。
剪定くずは、すみやかにハウスの外に持ち出すなど、適切な処理をしながら、健全な樹を育てていきたいものです。
本日のブログは、ここまで!
それでは、また明日~