マンゴーの収穫後の栽培管理について

DSC_9121WEB.jpg

ブログをご覧の皆様こんにちは!

管理人のとしです。

本日のブログは、「マンゴーの収穫後の栽培管理」についてまとめたいと思います。


 

 

真夏の気象推移と今後の留意点

マンゴーの収穫後は、平年でも最高気温は、32℃を上回る時期が続きます。マンゴーは、強いストレスがかかっても葉厚がうすくなる、葉色が薄くなる、といった弊害が出にくいのですが、強いストレスがかかると変形葉の発生などが出てくる場合もあります。よって、日頃の管理において十分注意する必要があります。

  1. 水分ストレスによる弊害
    多湿と乾燥の繰り返しにより細根へのストレスがかからないように注意する。
    →週に1回5〜10tの灌水で適度な湿潤を維持する。
     

  2. 高温によるストレス
    光合成能力の低下、発根不良、細根の機能低下をもたらす可能性がある。
    ビニールがあるだけで、ハウスの中の気温は、外気より上がりやすくなるため、十分注意する。

 

次年度対策について

収穫が済んだら、来年産に向けた大切な時期になります。下記の管理について特に留意する。

  1. 収穫後の剪定と樹勢回復
    無胚果発生や隔年結果の大きな原因の1つとして考えられているのが、貯蔵養分不足です。貯蔵養分をなるべく多く蓄えるため、収穫後速やかに樹勢回復を図ることが重要です。
     

    • 剪定は、なるべく早く実施し終了する。
      新梢(新しい芽のこと)が早く出ると十分に充実する期間を確保できるので、光合成能力も高まり養分をたくさん筑西することができる。
      ※光合成とは、日光・水・二酸化炭素をつかって、樹体内で養分をつくること
       

    • 剪定後の発芽・充実促進のために速効性肥料の施用、葉面散布、灌水等を徹底する。
       
    • 芽欠きにより、養分の分散を抑え、適正な数の母枝を確保する。
  2. 剪定時期と新しい芽の生育する状況
    マンゴーの新しい目が出て硬くなり、光合成ができるようになるまで、約40〜45日かかる。よって、剪定が早いほど芽がよく充実できるといえる。
    また、地上部の光合成能力が高いと、再婚の働きもよくなる。

 

夏期の水管理

無胚果の発生が多かった要因の1つとして考えられるのが、夏場の水吸収が不足していることもあげられます。発根や細根の生育促進、樹液流動をスムーズに進めるために、十分な灌水を実施する。

乾燥が続くようであると、せっかく発根した細根が枯死してしまう。灌水を行なっている園でも、土壌が硬く水が下層まで浸透しない状況であったり、灌水施設に不備があったりする場合があるので、今一度、点検する。
※樹液流動とは、養分や水分が樹の体内を流れること
※細根はなぜ大事か?
 養分や水分を吸収し地上部におくる働きがあるため、樹が健全に生育し、光合成を行うために必要不可欠である。

【細根の伸長について】(H14年度 大島支場亜熱帯果樹研究室成績より)

  • 根の伸長は、1年を通じてあるが、8〜10月にかけて新梢の発生とともに根の活性も高まり伸長量が多くなり、伸長量が最も多かったのは、新梢の発育が停止した10月下旬であった。
     
  • 着果負担が大きいほど根の伸長量は低下する。

 


病害虫防除対策について

こちらの記事をご覧ください。
マンゴーの病害虫(病気・害虫)まとめ
 

収穫後の剪定について

  1. 剪定時期と程度
    収穫終了後一斉に剪定した方が、発芽が揃うので管理しやすい。
    収穫が遅れた場合は、収穫にあわせて剪定する。

    • 果実が残りつつも強い剪定を行ない、新しい芽が出てしまうと、着色の進みが悪くなり、ますます収穫が遅れる。
       
    • 剪定が遅くなったら、葉数の維持に努める。
  2. 剪定する枝と剪定位置
    • 病害虫被害枝、極端に混んでいる所、樹冠内部の直立枝、内向枝、下垂枝を切除する。
      ※不要な枝でも、密生に心配のない場合は、力枝として残す。
       

    • 輪状芽の上か、下かの判断
  3. 間伐・縮伐の実施
    密植園においては、日光がよく当たらないため着色が悪くなる。農薬の散布むらがでる等の弊害がある。
    間伐すると、一時的に収量が減少するが、着色などの品質向上、防除のしやすさを考えると、厚程度の間伐・縮伐も必要である。
     

  4. 新しい芽の芽欠き
    • 強い勢いの枝は、芽数を多く残しておいて、伸長と肥大を分散させる。
       
    • 充実しきれない中途半端な芽は、早めにとってしまい、無駄な浪費を防ぐ。

※収穫がほとんど終わりに近づいたら、来年のことを考えると果実をとって切ってしまったほうがよい。

以上が、「マンゴー収穫後の管理」となります。
今回も、鹿児島県農業普及課より頂いた資料を、翌月にせまった剪定時期ということもあり、まとめてみました。

翌年度の品質の良い果実のためにも、適切な管理に努めたいものであります。

本日のブログは、ここまで!

それでは、また明日~


 

 
i