マンゴー肥大期の管理

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ブログをご覧の皆様こんにちは!

管理人のとしです。

本日のブログは、「マンゴー肥大期の管理」についてまとめてみたいと思います。
マンゴーの肥大期の管理のポイントを出来るだけわかりやすく解説したものとなっていますので、ぜひ目を通してみて下さい。


 

 

摘果確認

  1. 樹勢を維持し、毎年安定した生産を図る。
     
  2. 着色、糖度の果実品質向上を図る。
     
  3. 大玉でスレのないきれいな果実を生産する。等を目的に平面状の樹では、1m2(1m×1m)あたり5〜6果を目安に着果(着果制限)する。
    生産目標は、10アールあたり3,000〜4,000玉とする(有効面積 700m2目安)

※着果量の考え方

  1. ほ場全体で考えた場合
    例1
     1,000m2の内、700m2埋まっているほ場、700m2×5〜6個=3,500〜4,200個の着果となる。
    例2
     1,000m2の内、900m2埋まっているほ場(ほとんど無駄な空間がなく枝葉で埋まっている場合)、900m2×5〜6個=4,500〜5,400個の着果となる。
     

  2. 樹の大きさで考えた場合
    例1
     2m×4mの横長の樹(=8m2)では、8m2×5〜6≒40〜48果
    例2
     直径3mの円状の樹(=m2)では、7m2×5〜6≒35〜42果

  3. 枝葉の強さを勘案した場合
    強枝の場合:長さ40cm以上、葉数25枚程度、茎径10mm以上、着果目安1本に1果
    果中枝の場合:30〜40cm以上、葉数25枚程度、茎径10mm以下、着果目安3本に2果
    弱枝の場合:30cm以下、葉数20枚以下、茎径5mm程度、着果目安3本に1果 

※植え付け本数、剪定で上手に枝数を配置し、
 900m2×5〜6個×450g以上≒2,000kg以上を目指す!

枝葉管理

着果が少なく、ノコ引きが必要な円は、5月を目処に実施する。
 

5月に課題となる病害虫

スワルスキーカブリダニを導入しなかった園では、スリップスの発生が見られる園が多い。
スワルスキーカブリダニを導入した園では、アブラムシ、カイガラムシの発生が見られる。また、マンゴーハダニ、マンゴーキジラミ、炭そ病(特に前年台風被害のあった園)の発生が散見される。

マンゴーの病害虫

 

梅雨時に課題となる生理障害

  1. 日照不足や湿度が上がることにより、樹や果実の体質が弱くなる。
    • 果実の体質が弱くなると、炭そ病等の病気が発生しやすくなる。
       
    • 結露により裂皮(ヤニ果)と果実食のマダラが発生しやすくなる。

    ※なぜ、結露するのか?

    • 単純に水滴が落ちる場合(ハウスの谷下、ビニールの破れ等)
       
    • 早朝に晴れ、急激にハウス内の温度が上昇した場合、果実表面の温度は、低いままであるため果実に水滴がつく。換気が悪く、ハウス内の湿度が高いと乾かない状態が長く続く。
  2. マダラ果実
     6月以降で、横肥大が始まり水滴や薬剤散布で果皮が濡れた状態になると、発生が見られるようになる。

    マンゴーのマダラ果実

  3. 病気や生理障害を出にくくするためには、
     
    • 日照を確保する。
       
    • 通気を良くする。
       
    • 高温・多湿にならないようにする。
       
    • 適正な樹体水分を保つ。
       
    • 適正着果で適正な樹勢を保つ

    等の樹が健全な条件でいられる環境を整えることが重要。

マンゴー樹液流量の推移図

この図より、雨天・曇天日の灌水は控える。雨天日は丸1日、曇天日は0.5日灌水の間隔を延ばすという理由が、はっきりとしてくる。

 

梅雨明け前後の管理

  1. 梅雨の期間中は、日照確保に努めたい。
    曇天が続くと果実の着色が進まず、生理落果もつづく。
     

  2. 梅雨明け直前は、梅雨明け直後の高温を想定して、管理を進める。
    昼温が35℃以上となると、果実に直接光が当たっている部分は、温度が50℃前後になり、日焼け果実が発生し易くなる。下記のような対策をとる。

    • 4mm目のブルーネットと果実ネットの利用(ビニール押さえ資材としても効果的)
      ・6月中〜下旬(梅雨の中晴れ〜梅雨明け)には、ハウス外にブルーシートを被覆する。
      ・収穫目安の30日を経過してから果実ネットで玉吊りをする。但し、収穫まで30日以上かかるとネット痕が残る場合がある。
       

    • 袋資材の利用
      ・袋掛け:6月中〜下旬(梅雨の中晴れ〜梅雨明け)に行う。
      ・果実が全体的に紫色を帯びたら(尻の緑が残っていてもよい)、袋掛けをした場合、袋内が高温となるため、果実の色はやや落ちる。一方、収穫は、果実ネットより10日程度早くなる(積算温度)。

    • 梅雨明け後
      連続して暑い日が続くと、下記のような様々な障害果が発生するので注意が必要。
      ・異常落下(急激な水分蒸散、水分不足):糖度が低くて美味しくない。
       
      ・色落ち(高温による消耗):赤から朱色、朱色から黄色マダラへ
       
      ・糖度低下(高温による消耗):美味しくない
       
      ・果肉崩壊(水分不足、Ca移動不可):果肉が煮えた状態
  3. 高温対策と管理
    • 梅雨明け直後に日焼けが発生しないように、灌水により樹を潤ませておく。
       
    • サイド、谷、ツマ部分をネットで開放して通気を良くする。特に、ツマ部をできるだけ開放するのがよい。鳥の被害には注意(入口を無くす)。
      ※果皮のマダラやヤニ果発生が多いほ場では、風を動かし果皮が結露しないようにする。
       

    • 柑橘等は、収穫前に水を切り増糖を図るが、マンゴーは、収穫前に水を切り増糖を図る樹種では、なく、適度な土壌水分があった方が果実品質は、優れる。水を切ると異常落下が発生し易くなるので注意が必要。
       特に、梅雨明け後で晴天日が続く場合は、樹の水分蒸散も増加する。また、急激な土壌水分変化により誘発される果こう部の裂果やヤニ果を防ぐ意味で、定期的な灌水による適湿管理が重要である。


以上が、「マンゴーの肥大期の管理」となりますが、いかがだったでしょうか?
1年間の集大成ともいえる果実の管理は、大切ですよね。

しっかりと管理をおこない、品質の向上に努めたいものであります。

本日の記事は、鹿児島県農業普及課より頂いた資料をまとめました。就農からまだ数年と経験の浅い私にとって、鹿児島県農業普及課は、神のように思える存在でありますよ。

本日のブログは、ここまで!

それでは、また明日~


 

 
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